「御香典」は、お線香や御香の代わりに金子を差し上げることに変化したものです。

キリスト教の葬儀にはお線香や御香はもちいません。
キリスト教は死者が仏様や神様になるという考え方はなく、「天に召される」「神様のもとに行く」ので拝礼はあくまでも故人ではなく神様に捧げます。

そのため、「御香典」の考えはなく、差し上げる物も原則は白い生花に限られます。
しかし、最近では生花の代わりに「お花料」として金子をお包みすることがほとんどです。  
ご用意する不祝儀袋は表書きに「お花料（御花料）」とあり、十字架やユリの花が描かれたものがキリスト教専用に市販されています。
百貨店や大型の文具店で手に入れやすいでしょう。
これには「カトリック」「プロテスタント」の違いはありませんが「忌慰料（きいりょう）」とあればプロテスタントに限ります。

他に「御霊前」の表書きで仏教を表す蓮の絵がついていないものは「御霊前（みたまえ）」と読ませることで代用できますが、水引のかかっていない白無地の金包を選ぶと良いでしょう。

キリスト教では、品物の供物は認められていないこともあり、祭壇に供物を飾るという習慣もありません。
生花も飾らない場合もありますので、事前にご遺族に確認をしてください。

お悔やみの品を贈りたい場合は、ご自宅にお届けすることをおすすめします。
表書きは、カトリック「御弥撒（おんみさ）」、プロテスタント「御忌慰（おんきい）」となり、どちらか不明な場合は「御偲（おしのび）」になさるとよいでしょう。